将棋を指すプロ、「棋士」も、手を使う仕事のひとつです。
テレビ番組などで将棋番組が放映されていますが、あの場で活躍している棋士たちは、狭き門を通ってあの場に座っています。

実力が必要

棋士は、幼少の頃にちょっとしたきっかけで将棋をはじめ、その後どんどん上達していって棋士への道をたどるという人もいれば、中学や高校の将棋倶楽部で初めて駒に触り、そこからめきめきと実力をつけていったという人もいます。
きっかけはさまざまですが、プロの棋士になるには相当の実力が必要です。

プロの棋士になるには、まず「新進棋士奨励会」という団体に入会するというケースが多いです。
入会もただ申請をすれば入れるというわけではなく、会員の推薦が必要である上に、入会の試験がありますので、ある程度のレベルでないと入会することができません。
ただし、それまでに大会で優勝するなどの実績がある場合は、試験が免除されるケースもあります。

また、入会すれば安心というわけではなく、一定の年齢までに所定の段に昇格できないと退会処分となってしまうなど、非常に厳しい条件がありますので、入会後も一所懸命腕を上げていかなければなりません。
プロになるには入会後四段に昇格することで可能となりますが、一年で4人しか昇格することはできないので、非常に厳しい世界であるといえるでしょう。

見極のできるファン

奨励会に入会する方法以外のプロになる方法としては、プロ昇格制度を利用するという方法もあります。
こちらも一定レベルまで昇格していたり、定められた勝率を満たしていることなどさまざまな条件がありますので、決して平坦な道のりではありません。
奨励会を通じてプロになるよりも、プロ昇格制度を利用するほうが厳しいというわれていますので、棋士の世界は本当に厳しいものであるということがうなずけます。

将棋の試合を見る人は、その試合の進み方はもちろんですが、棋士の碁の打ち方についてもチェックしている人が多いです。
滑らかに碁を打つ手つきは、ファンの間では大きな見どころとなっています。
また、碁の打ち方でその棋士が自信をもって試合に臨んでいるか、焦っているかなどを見極めることができるファンもいるそうで、将棋の世界は非常に奥が深いということがわかります。

手の内を見られないような打ち方をすること、そして勝つこと……。
こうした技術が、厳しい将棋の道を歩んでいくことで、少しずつ確実に身についていくのでしょう。
将棋は、静かながらも本当はすごく熱いゲームなのかもしれませんね。