子ども

保育士という仕事

専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。

引用:児童福祉法第18条の4

と児童福祉法では、保育士を定義づけています。

共働き世帯の増加、女性が活躍する社会において、なくてはならない保育士について紹介していきます。

保育士の歴史

日本に保育所ができたのは丁度150年前、1871年(明治4年)にアメリカ人宣教師が横浜に開設したのが始まりとされています。

それから、19年後、日本人による、日本初の保育園が設立した場所は、新潟県の保育所と言われています。

その保育所とは赤沢保育園で、現存する日本最古の保育園です。

赤沢保育園

最初から「保育士」と呼ばれていたわけではなく、保育専門の知識を持ち資格を取得したものとして、「保育士」が誕生しました。それが1948年(昭和23年)のことです。

こうして、保育士は専門的知識と技術を備えているだけでなく、国家資格が必要な職業になりました。

保育士になるには

上記でもお伝えしたように、保育士になるには保育士の国家資格を取得が必須となります。

ついでに申しますと、保育施設で働くには、必ずしも保育士の資格を持っていなくても保育士をサポートする役割として、働くことができます。

いずれにしても、保育士になるには保育士の資格が必要で、保育士資格試験に合格しなければなりません。

保育士資格を取得するには、2つの方法があります。

  1. ①つ目は大学や短大や専門学校などの保育士養成機を卒業する方法
  2. ②つ目は保育士試験を受験し、筆記試験及び実務試験に合格する方法

です。

保育士の資格を取るには?試験の受け方から学校の選び方まで詳しく紹介! | 保育コラム | パソナフォスター

多岐にわたる保育士の仕事内容

保育士は主に子どもたちの面倒を見るのが仕事なので、特別な技術は必要ないのでは?と思うかもしれません。

しかし、保育士の仕事は多岐にわたります。例えば、園だよりの作成や保育活動に向けた製作準備、掲示板の作成など、手作業の仕事がとても多いのです。

さらに、そうした業務的な仕事を効率的に業務をこなすだけではなく、子どもと接するためにピアノも弾かないといけなかったり、歌も覚えなくてはいけなかったり、工作をするので手先の器用さも必要になってきます。

専門的に学ぶほど、保育園で弾くピアノの難易度はそれほど高いモノではありませんが、全く引いたことのない保育士の中には残業してピアノの練習をする保育士も多く見ます。

保育士不足の問題

女性の社会進出により、母親の代わりに子どもの保育を行う保育士が必要な社会ですが、保育士の数が足りないのが現状です。

待機児童の増加は深刻な社会問題の1つでもあり、国や自治体で様々な取組が行われるようになりました。

特に保育士不足を解消することは、保育施設を増やすことと同時に行われなくてはいけない対策です。

そうした状況の中、保育士の資格があるにもかかわらず、保育士として働いていない「潜在保育士」が増えてしまう理由には、「保育士の給与問題」や「保育士の労働条件問題」があります。

◎保育士の給与問題

保育士の給与は、同じ国家資格を取得した看護師などに比べて低いだけではなく、全職業の平均年収より低い状況です。

参考▷保育士の給料が上がらない理由とは?給与改善はどうなる?│保育士バンク!

◎保育士の労働条件問題

上記のように仕事内容が多岐にわたる保育士の仕事は、とてもハードです。その上保育士不足が追い打ちを掛け、労働条件は苛酷だと言われています。

保育士確保の取り組み

保育士の就職促進を集中的に行い、保育士確保に力を入れている自治体も数多くあります。

例えば千葉県では、昨年末に「保育士確保集中取組キャンペーン」を実施しました。その内容は、民間の保育園で働く保育士の給与を最大4万円上乗せし、保育士の給与問題の改善に取り組みました。

さらに、給与だけではなく勤務時間のシフト制導入や男子保育士の採用を増やすなど、勤務環境を改善し、保育士が働き続ける環境づくりを実施しています。

需要の高い保育士求人

保育士の仕事は今後も安定した雇用需要が見込まれる、売り手市場といっていいでしょう。

保育士の求人倍率は1.7倍以上で、9割の都道府県で保育士は不足しています。

参考▷深刻な保育士の人材不足はなぜ起こるのか?現状と対策を解説