手に職の代表というと、「寿司職人」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
独特の手つきで寿司を握り、口の中でとろけてしまうような小さなごちそうを握るその手は、
職人技以外の何ものでもありません。

最初は雑用から

一人前の寿司職人には、並大抵の努力ではなれません。
洋食の世界も同じかもしれませんが、寿司職人の世界は非常に厳しく、最初は雑用から入り、
数年間は厨房業務はやらせてもらえないといわれています。

数年後、やっと卵焼きから入るというほどの厳しさ。
そのくらいの根性がないと、寿司職人は務まらないのですね。

とはいえ最近は専門学校で寿司の技術を学べるところがあるようで、
そこまで厳しい修行をしなくても、寿司を握る技術を習得することができるのだそうです。

しかし、数年間も雑用をこなさなければならないほど厳しい世界があるのに、
学校で学んだだけで同じ技術を習得できるのかというと疑問ですね。
数年間雑用をするというのは、単に雑用をこなしているだけではだめなのだと思います。

表現できるような状態に

雑用をこなしている間に親方や先輩の包丁さばき、握り寿司の握り方をしっかりと見て目で覚え、
実際に厨房に入れるようになったら、そのときにはそれまで見てきた技術をしっかりと自分の手で
表現できるような状態にしておかなければなならない。

雑用をこなす期間は、そうやって学ぶ時期なのではないでしょうか。

専門学校での学びには、そうした「自分から技術を習得しようとする意欲」は
生まれにくいと思われますので、その2人の職人を並べて同じ握りを握っていただいたときに、
どちらの寿司がおいしいかというのは、きっと食べなくてもわかると思います。
そうした苦労をして技術を習得した人こそ、「真の職人」と呼べるのです。

手に職をつけたいなら

専門学校を出た人が悪いというわけではありません。
こうした人たちは、個人店ではなく、大手の寿司チェーン店などに就職して活躍することができます。

本格的なお寿司屋さんはとても料金が高いので、一般人はそうそう通うことはできませんが、
こうした大手の寿司チェーン店は、おいしいお寿司を手頃な価格でいただくことができるので
人気がありますし、需要もあります。

こうしたところで働いてくださる職人さんがいないと、私達も気軽にお寿司を食べられません。
寿司職人にはとてもいろいろなケースがありますが、そのどれもがれっきとした寿司職人で、
それぞれに需要があります。

「手に職をつけたい」と考えている方は、寿司職人への道も検討してみてはいかがでしょうか?