手仕事の花形ともいえる「ファッションデザイナー」。
ファッションデザイナーの仕事は、服のデザインだけに留まらず、実に多岐にわたります。
まずはデザインする服の企画から始まります。「どのような年代の人が、どんなシチュエーションで着用してくれるか」ということを
考えながら、デザインの軸を考えていくわけですが、ブランドのファッションデザイナーの場合、ブランドの個性を生かしたデザインをする必要がありますので、多方面からいろいろなポイントを抑え、それらをうまく融合させてデザイン出しをしなければなりません。
これだけでも、かなり難しい作業であることがわかりますね。
その後、パタンナーに型紙を起こしてもらったら、工場にサンプル作成の依頼を出します。サンプル作成の際には、使用する生地やホックの一つ一つまで、入念にチェックを入れなければなりません。
一つ一つの仕事には、一切の手抜きは許されませんので、体力、気力ともに非常に消耗してしまいますが、その分やりがいもあります。
そこまですべての力を注いで作られた服が市場に出て、道行く人が自分のデザインした服を着ているところを目にしたら、今までの苦労なんてすべて吹き飛んでしまうのだとか。
企画からデザイン、商品化までの仕事もとても重要なことですが、デザイン出しをするためのモチベーションの維持も大切。
一年、多くの場合は4シーズンのデザイン出しをしなければなりませんので、ある意味一年中アウトプットをしているようなもの。デザインのアイディアはどんどん枯渇していってしまいますので、その都度さまざまなものからインスピレーションを得て、自分の中にあらたなデザインの種をインプットしていかなければなりません。
インスピレーションを得たものをそのままデザインに落としてしまうと、場合によっては盗作扱いされてしまいますので、うまく自分のデザインに変えて行かなければならない、その切替えについても非常にエネルギーを必要とします。
一流ブランドのデザイナーというのは、これらをすべてバランスよくこなしながら、自身の精神状態を常にクリアに保ち、次のデザイン出しへと繋げていくのです。
ファッションデザイナーになるためにはさまざまな方法がありますが、一般的には服飾やファッションの専門学校を出て、アパレルメーカーなどに就職するという流れが多いと思われます。
デザイン学校を卒業していなければデザイナーになれない、という法律などがあるわけではありませんが、企業の募集要領として、専門学校や美大を卒業していることを条件としている場合がほとんどなので、学校は出ておいたほうが就職への近道だと思われます。
学校で、服をデザインするところから仕上がるまでの一連の流れを学ぶことができますし、学友などのコネクションから、現役のデザイナーと繋がりをもち、色々なお話を聞くことができることもありますので、学校を出るということは、学校内でのカリキュラム以外にも、得るものは非常に大きいです。
ものを作る喜びを味わうことができるファッションデザイナーのお仕事、服が好きな方はぜひ目指してみては。