医者

誰もが知っている医者。
医者は病気やケガを治すことが仕事ですが、重病や重症患者には手術をすることもままありますので、手仕事中の手仕事といえます。

医者は、すべての医療について学ぶことは難しいので、眼科や内科、皮膚科や産婦人科のように、専門の分野を学び、それに伴った治療をしていくことが主な仕事となります。

とはいえ、簡単には医者になることはできません。

狭き門

医者になるには、医師の国家試験に合格する必要があります。

医師の国家試験を受けるためには、受検資格として、大学の医学部を卒業していることが条件となります。ちなみに一般的な大学は、2年または4年制が多いですが、医学部は6年生となり、6年間大学に通わなければなりません。国家試験の合格率は、約8割から9割とかなり高めですが、医学部に入学すること自体がかなりの難関となります。また、医学部は私立大になると学費がかなり高くなりますので、国立の大学を受けたいと思う方が多いため、国立の医学部になると、さらに狭き門となっています。

医学部の受験科目は理数系がほとんどなので、一見手に職とは無関係に見えます。医学部への入学には、まずは理数系が得意であることが大切です。ちなみに、眼科医や皮膚科医になるには、医学部に入学すればよいのですが、歯医者になるには歯学部に入学する必要があります。

アルバイトなどに行く医者も

6年間の大学での勉強を経て、晴れて国家資格に合格しても、すぐに医者になれるわけではありません。まずは2年間研修医として病院に勤務し、その後初めて一人前の医者として、直接患者の治療にあたることができるようになるのです。研修医として働く際は、大学の附属病院があればそちらに、そのほかの場合は提携している総合病院に勤務する場合が多いようです。

医者になった後も、日々医学は進歩していきますので、学会などで常に勉強を重ねて行かなければなりません。また、研修医の間や、医者になったばかりの頃はお給料もあまりよくないので、別の病院に宿直のアルバイトなどに行く医者もいます。体力、気力ともにかなりタフでないと勤まらない仕事であるといえるでしょう。

独立開業するのも一苦労

医師になるだけでも大変ですが、どこかの病院や診療所に雇われる形であれば、医療技術が確かであれば働くことができるでしょう。しかし、開業して自分の病院を持ちたいと考えた場合、医療技術だけでは独立は難しいでしょう。院長として、病院の管理や人材確保などを行う知識やスキルが必須となりますが、これは医学部で学ぶことができません。

独立の難しさは、医師や歯医者だけではなく、どの業界の専門家に置いても同じことが言えるでしょう。腕は確かでも、管理者としてまったく適性が無かったため、独立後にすぐ廃業してしまうというケースは少なくありません。

医師や歯科医などは、独立の際に物件探しや治療機材の調達が必須となりますが、忙しく働く中でこれらを勉強することは困難でしょう。そのため、現在は開業に関するセミナーや講座などが多く開講され、独立を目指す人のサポート体勢が整えられています。

地道な努力が実を結ぶ

手仕事という意味では、専門性が高い仕事であることと、手術などでかなり細かい作業を行わなければならないという点ではないでしょうか。医者になる人達が、必ずしも手先が器用だとは限らないので、あの手術の細かい作業は、日々の練習や経験のたまものといえるでしょう。注射の打ち方一つについても、人形で練習したり、研修生同士で練習するといいますから、かなり時間をかけて練習しているのかもしれませんね。

医者の仕事のやりがいは、いわなくてもわかるくらいに明確です。人の命を預かる仕事なのですから、責任もやりがいも重大。大変な勉強を重ねてやっとなることができるのですから、やりがいはあって当然という感じかもしれないですね。高校からストレート(何度か浪人する場合は別として)で医学部に入学し、医者になる場合がほとんどですが、まれに数年社会人経験をしてから医者を目指すという方もいらっしゃるようです。努力を惜しまなければ、夢を叶えることができるかもしれません。医者を目指している方は、ぜひあきらめないで頑張っていただきたいと思います。